「バウビオロギー」とは、「建築(バウ)」と「生命(ビオ)」と「精神(ロゴス)」からなるドイツの造語です。日本語では「建築生物学・生態学」と訳されるものですが、建造物を建築の学問のみで捉えずに、広く生理学・心理学・生態学・造園学など人と環境にまつわるさまざまな観点から考えるというものです。
「バウビオロギーを推進する専門家を“バウビオロギスト”と呼びますが、スイスの教育機関では、この専門家は建築家であり、ドクター、化学者、心理学者、物理学者であり、そして哲学者であるべきと定義されています。それほど幅広い分野の知識を駆使しながら建築を考えるわけです」
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生物として人をとらえた場合、この「水性の猿」は、地球の変化に対してあまりにもか弱く、その生息域もごく限られた範囲に限定されています。「バウビオロギー」が敵対し、避けるものには、人類が発明したモノも多く、都市に住まうことも、ある意味避けるべきストレスのひとつに取り上げられています。ほとんどの人は、一日のほとんどの時間を「屋内」で過ごしていて、住まいは、外の危険から安全安心の空間を提供するものですが、その中にも、オフィスの空調、蛍光灯やLEDの人工照明、飛び交う電磁波、空気中の化学物質など避けなければいけないものが数多くあります。
バウビオロギーの考え方をまとめた 1975年の、リチャード・デードリッヒのイラストには、都市環境のシステムの検討には、ミクロレベルでの「人ー住居ー周辺環境」という連関における、込み入った生物学的作用を要素別に分類して、その効果のプラスマイナスを明らかにする必要性を示唆しています。