Know-how

プレアデザインは、集熱・蓄熱・断熱/気密 の3つのパラメータをシミュレーションによってデザインします。この3つのバランスはとても大切です。小玉佑一郎は翻訳した、エドワード・マツリアの著作「パッシブソーラーハウスの設計技法」はとてもよい教科書です。その中の挿絵を引用しています。

集熱

集熱は「温室効果」を利用しています。日射があれば特に仕掛けが無くても太陽熱集熱の効果があります。暖房期間の集熱は暖房負荷を削減しますが、日射強度が強くなる夏の集熱は、そのまま冷房負荷になります。日射遮蔽のわかりやすい仕掛けは「庇」ですが、北半球で太陽高度角の最も高くなる夏至(6月22日頃)の時期は未だあまり暑くありません。気温も高く日射強度のまだ強い8月中旬の太陽光を室内に取り入れてしまうと暑くてたまらない家になります。

蓄熱

建物を構成する部位は全て蓄熱します。しかし材料によって熱容量・容積比熱が違うので、蓄熱に向いている材料とそうでないものがあります。一般に、煉瓦・コンクリート・石などの重たいものが蓄熱には適しています。土壁の民家でもない限り、日本の木造住宅にはあまり重たい材料は使われてきませんでした。パッシブデザインでは床下の土間コンクリートを熱的境界の中に取り込んで建物全体の熱容量が大きくなるような工夫をしています。

断熱/気密

断熱と気密はセットで考えないと意味がありません。壁をいくら断熱しても、ペアガラスにしても、建物の箱としての気密が確保できていないと室内は自然換気で外と同じ環境になってしまいます。室内空気質にも影響する換気はとても大切ですが、気密が確保されていない建物では、熱交換換気はその性能を発揮することができません。断熱性能は計算で確認できますが気密については実際の建物の気密測定をしないと性能値はわかりません。

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