KHN 学研都市展示館 Roof 

PLEA Design

W集熱パネル

環境共生と自然エネルギー利用の実験施設のような性格を持った関西学研都市展示館では、高温集熱のアイデアをとても複雑な空気集熱パネルでこころみました。屋根集熱は、ガラスのない余熱部分と、ガラス付きの高温集熱部で構成しますが、高温集熱部での高効率化を試みて、一度高温になる集熱鉄板の下を通ってから、ガラス直下の高温空気も集熱するという方法です。

手ごたえとしては 30% 増しの集熱が実現しますが、とても複雑で手間がかかることに加えて、このころから住宅の箱としての断熱性能が格段によくなったため、集熱を欲張らなくても済むようになったため学研都市展示館以降実施していません。

アモ板

学研都市展示館の余熱面には「アモ板」(アモルファスシリコンをつかった太陽電池を瓦棒葺き屋根のドブ板に加工したモノ)を採用しました。
アモルファスシリコンとは、固体のシリコン(Si:ケイ素)の単体のうち、結晶構造を持たず原子が無秩序に集まった非晶質(アモルファス)状態のものです。太陽電池業界の競争は激しく、日本の太陽電池メーカーは、ほとんど撤退しましたが、当時キヤノンが開発していました。

「アモ板」には様々な特徴があります。屋根材が太陽電池なので太陽電池の設置に架台が必要ありません。また、結晶系の太陽電池は、高温になると発電効率が低下しますが、アモルファスはアニール効果で、高温下で発電効率が復活します。
空気集熱との組み合わせは、太陽電池を覚ますことになるので発電に有利です。またやっていませんが曲面加工も可能です。

W集熱パネルのパネル内チャンバーの考え方は、その後、棟ダクトを必要としない「びおソーラーパネル」の開発につながります。

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