KHN 学研都市展示館 デシカントクーリング

PLEA Design

空気集熱式パッシブソーラーシステムの特徴として、夏に熱が沢山余ることがあげられます。住宅における太陽熱利用率は、給湯熱としての利用がない限りそれほど高い水準になりません。一般に4人家族の家では、一日に50℃ 300リットルのお湯が必要だとされています。空気集熱式でも、年間を通じてそれくらいの給湯熱を得ることは簡単にできます。しかし、夏には給湯利用をしても熱が余ります。

デシカントクーリングは、シリカゲルのような吸着材を使って、室内空気から湿気を除去し、その結果得られた「高温乾燥空気」の熱をある程度冷ましてから、再び湿気を与えることによる「加湿冷却」によって空気の温度を下げる原理です。吸着材に吸着した湿気は、高温にすることで脱着することができます。夏に余る熱は、湿気の吸着によって吸着ができなくなった吸着材が、再び吸着できるように湿気を「脱着」する際に使います。

熱交換壁 / 外気取り入れ口見上げ
熱交換壁 / 高温乾燥空気流路(施工中写真)

外気より低温になった空気は、建築的に製作したロスナイのような構造壁を通りながら、室内空気を脱着して高温になった乾燥空気と熱交換をすることで、高温乾燥空気から熱を得て、プレヒートされた状態で屋根集熱に向かいます。外気は太陽熱集熱でさらに高温になります。この高温になった集熱空気が、シリカゲルローターに吸着した湿気を「脱着」して外に排気されます。

関西学研都市展示館 クールチューブ吸気口
関西学研都市展示館 高温集熱を可能にしたW集熱パネル

室内空気は、デシカント空調機のシリカゲルローターを通過することで湿気が除去されて「高温乾燥空気」になります。この高温乾燥空気が冷気となって室内に再び戻ります。「高温乾燥空気」は、ロスナイのような構造壁を通ることで、クールチューブで冷却された外気と熱交換をして温度を下げて、さらに床下の加湿パンによって加湿冷却されて室内に冷気として戻ります。

デシカントクーリングの対象室とした「会議室」は、2階の北側に位置して、夏季の日射侵入がないように計画されています。また開口部のガラスは全てペアガラスす。

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