気密性能と漏気

PLEA Design

 建物の隙間は、C値(相当隙間面積)で表します。気密測定器で計測すると、建物全体の隙間特性値と総隙間面積 αA (㎠)を求めることができます。その面積を建物の気積(エアボリューム)を 2.6mで除して求められる面積を、気密測定上の建物の延床面積として、総隙間面積 αA (㎠) を気密測定上の延床面積で除した値をC値(相当隙間面積)としています。単位は (㎠/㎡) です。これからの住まいは、C値=1.0 (㎠/㎡) 以下でないと社会資産とは呼べません。

建物の気密性能と漏気量

 

 図は、建物の気密性能と漏気量の関係を示した線図です。次のように読みます。
① 外部風速が 5 (m/s) のときに
② 建物は風を遮るもののない原っぱに建っていて (周辺状況Ⅰ)外気温は 0℃
③ 建物の気密性能 C値は 1.5 (㎠/㎡) なので
  左表の横目盛り 1.5 からまっすぐ上に上がって、右表の② 外部風速からまっすぐ上に上がって(周 辺環境Ⅰ)との交点から、左に水平に伸ばした線との交点を、左表の右下に下がる曲線との交点を求めると、自然換気回数「0.3回/h」とわかります。同様に、同じ周辺環境で、建物の隙間C値が 15 (㎠/㎡) のときは、赤い線を読んで、自然換気回数「3回/h」を得ます。

 この線図から、自然換気回数は、外部風速とC値(相当隙間面積)に大きな影響を受けることがわかります。青のケースでも周辺環境が立て込んでいて、外部風速の影響が緩和されれば、換気回数「0.1回/h」程度になり、赤のケースでも換気回数「1.0回/h」程度になることが表から読めます。
 
 断熱性能のところで、換気回数1.5回の換気負荷が、全体の熱損失に占める割合がとても大きいことを説明しました。実際のところ隙間風で寒い家はとても多く、その「相当隙間面積」は、気密測定器で計測することができます。

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