プレアセンターの1階は主として展示室として計画しました。玄関風除室と受付、各部のデータをリアルタイムでインターネットにアップする仕掛け、空気集熱のデバイスも展示品としてデザインしました。2階は月毎に実施されていた準備会議の会場ですが、日本のエコマテリアルを集めて展示しました。家具は全て、赤いソファーも含めて、木曽三岳奥村設計所木工部のものです。
秋山東一のフォルクスシステムは、105㎜角の集成材の柱と H=240㎜ の集成材の骨で構成され、胴付でカットされている梁は「クレテック金物」で緊結されます。秋山さんの好きなメカノのような組立感覚があるシステムです。当時のオリジナルのフォルクスシステムはヂュアルダクトステージという棟ダクトを躯体で作る方法が採用されていましたが、プレアセンターでは、棟ダクトは外に出して組立ました。また住宅では普通ではない吹き抜けも計画したため、必要に応じて鋼材のタイバーで構造補強をしました。
フォルクスシステムの標準構法では、壁にチリがありません。N50釘で構造とする断熱パネルを外側から押し込んで組み立てますが、このとき柱にチリが生じるように、外側にチリ厚の胴縁を付けてパネルがインテリアで柱とゾロにならないようにしています。また、電光掲示の壁部分では、壁パネルを内側から押し込んで大壁状になるようにして電光パネルの設置厚さを稼ぎました。
「木造打ち放し」と呼ばれる、ある意味なるようになるインテリアに、日本的な要素を加えるために、階段と手摺格子は、広葉樹を使って「家具的なディテール」を持たせています。また一部の「木造打ち放し」の壁に和紙を貼ることで、和のテクスチャーをしつらえています。