IWM いわきM邸 Details

Design

透光不透視

廻り中に既に無秩序に家が建つ住宅地に後から住まいを作るのは少なからず不利だと思うことの一つに主開口部のデザインの問題があります。向三軒両隣がどうあろうとも、周辺に配慮のない設計はとても多く、この家の敷地は、既に向三軒両隣にカタログ的に選んだプランを敷地にはめ込んだような家に囲まれていて、どちらを向いても、こっちが悪いような感じに攻められていました。

この住宅で多用した手法は、広い空を見るスカイライトの採用と、明かりは入れても、視線は排除する「透光不透視」のフィルターの採用、そして視線の方向をコントロールする「スリット」採用でした。
共用の居間は、施主の趣味であるレコード鑑賞を主軸に、スピーカーの背面と下はコンクリートにすることは施主からの要望の一つでした。

2階の個室も、内側からの要求で開ける開口部はことごとく隣家を覗き見る形に誤解されそうな状況で、ひとつひとつの開口はそれぞれ周辺との関係でスタディされています。

移動のシークエンスで変化する視線も考慮しながら室内はどこも光に満たされるように配慮しました。

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